大きな鳥にさらわれないよう/川上弘美

一月某日

久しぶりに物語を読んだ。

川上さんの小説を初めて手に取ったのは代々木駅前の書店。芥川賞の帯がついて平積みされてい「蛇を踏む」の冒頭の2ページですっかりその世界の虜になってしまった。

朝日新聞で川上さんの連載「七夜物語」が決まり、その挿絵がこれまた大好きな酒井駒子さんになったのは本当に衝撃的で、新聞で毎日読みたい気持ちと、本になってからまとめて読みたい気持ちで葛藤した。そして結局、新聞の連載ではできるだけ文章を読まないようにして挿絵だけを日々楽むことにした。(妻は毎日新聞を切り抜いてスケッチブックに貼っていたけど。)

そんな最中に東日本大震災が起こり、新聞では毎日衝撃的な記事が報じられる中、七夜物語の連載は続き、「この状況で毎日想像力を働かせながら物語を書くのは、どれだけ大変なのだろう」と勝手に川上さんのことを思っていたのだが、その当時の想いとその後の世の中に対する想いを吐き出したような物語だった。

宗教や哲学や心理学でヒトは何を学んでどこに行こうとしているのだろう?地球上で最も優れている(と自分たちは考えている)人間の考える幸せな世界ってどんな世界だろう。

僕にできること。家族、親戚、友だちと幸せに暮らすこと、一生懸命働くこと、珈琲を焙煎したり淹れたりしながら、目の前にいるかたを少しでも幸せにすること。